[カイロ 2日 ロイター] エジプトの選挙管理委員会は2日、11月28─29日に投票が行われた人民議会選挙の第1回投票について、投票率が過去最高の62%に達したと発表した。
ご存じのように、エジプトではムバラク大統領の独裁政権が倒され、民主化が進んでいます。
ウォールストリートジャーナルによれば、当初2日間の投票が終わった段階の非公式集計で、イスラム系候補者が優勢であることが伝わってきており、大方の予想通り、穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が多数の議席を占めることはまず間違いないでしょう。
さて、ここで考えねばならないのは、はたしてムスリム同胞団がこれからも穏健派であり続けるのかということです。
言いかえれば、ムスリム同胞団は弾圧から生き延びるために穏健派であったのであり、政党化し、多数の議席を獲得した今、エジプトが極めて原理主義的な国家になる可能性が非常に高いということなのです。
ムスリム同胞団は反イスラエルなので、今後、エジプトとイスラエルの関係が悪化する可能性もあり、その流れがリビアに波及することは考えられないことではありません。
中東にはまだまだ火種がくすぶっています。