[ニューヨーク 16日 ロイター] 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、ベルギーの自国・外貨建て国債格付けを従来の「Aa1」から「Aa3」に2段階引き下げるとともに、見通しを「ネガティブ」とした。
ムーディーズは、ベルギーの成長見通しと銀行システムに対する懸念から格付けを引き下げたとし、特に仏・ベルギー系金融サービスグループのデクシア(DEXI.BR: 株価, 企業情報, レポート)の救済に起因する想定外の負債を懸念材料として挙げた。
ムーディーズは声明で「(ユーロ圏の)ソブリン債市場のぜい弱性はこれまでに増して根強くなっており、短期的に改善する公算は小さい」とし「これにより、ベルギーのような債務水準が高く借り換え需要を抱えているユーロ加盟国に対する潜在的な資金調達ストレスが増大する」との見方を示した。
ベルギー政府はムーディーズによる格下げに関するコメントを控えた。
ベルギーの格付けをめぐっては、フィッチ・レーティングスがこの日、同国の「AAプラス」格付けを、スペインやイタリアなどユーロ加盟の他の5カ国とともに、レーティング・ウォッチ・ネガティブ(RWN)に指定。向こう3カ月以内に格下げる可能性を示唆した。
また、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はベルギーの「AA」格付けを、ユーロ加盟の他の14カ国とともに「クレジットウォッチ・ネガティブ」に指定している。
首脳会議後初めての国債の格下げです。
予想通り、1段階引き下げでは済みませんでした。しかも今後、近いうちにさらに下がる可能性は非常に高くなっています。
この格下げによっていよいよフランスなどのEU主要国の国債の格付けが1段階ではなく一気に2段階引き下げられる可能性が高くなってきました。
もしそうなってしまえば市場は大混乱に陥ることは避けられそうもありません。週明けにも格下げが行われれば一気に事態が進行してしまうでしょう。
その時、事態を収拾するすべはもはやないと言ってよいでしょう。