[演劇 ヴァギナモノローグの創作者であるイヴ・エンスラーが、閉経にまつわる友人との談話をきっかけに、性生活を題材とした演劇を作り上げた経緯を話します。そして、それが暴力防止の世界的キャンペーンや彼女自身の幸福探求につながった話を語ります。]
今まで、女性への暴力が世界中たくさんあるって、あまり考えたことがなかった。
ときどきは考えたことがあった。アフリカの部族の儀式のこととか、イスラムの女の人に与えられる罰とか、
世界中にある残酷な性犯罪とか、そういうのをニュースや本でみたときにだけ少し考えてみることはあるけど、
それを撲滅するために立ち上がろうとか、そういう気持ちになるほど深く考えたことはなかった。
あまり、女性への暴力が身近にない環境に生きているからかもしれない。
私は小さい頃から、母親に「女の人に暴力をふったら最低な男になるよ」って教えられて育った。
だから「女の人はぶったらいかんもんだ」って、思ってる。
女の人にちょっと手をあげるだけでも、いけないという意識を私は持っているけど、
世界にはそう思っていても女性に手をあげる人もいるし、そもそも女の人を殴っていけないなんて思ってない人もいるだろう。
DV、セクハラ、ストーカー、性犯罪、売春、そういったことを社会から根絶するためには、
法律で厳しく取り締まるっていうよりも、
被害者がそういった悩みを相談できる窓口を多く設けるとか、そういう話を打ち明けられるコミュニティを育成していくとか、このイヴ・エンスラーさんがやっている活動のような方法がいいんだと思う。
ほとんどのケースが、女性が一人で暴力と戦っていて、
暴力があるということ自体、表にでてこなかったりするんだろうから。
インターネットの発展が、こういう面でも役に立つといいなと思う。
まだまだ、いろいろと考えさせられるお話でした。