もし人間に、いい加減な反対を唱えて嬉しがる癖がなかったら、
世間の物事は随分すらすら運ぶに違いない。
周囲の者の、「あいつに何が出来るものか」と繰り返す声が耳に入るばかりに、
私達は、したいと思うあれやこれやのことを、
子供の頃からどれほど手を着けずに過ごして来たことだろう。
アンドレ・ジッド
田園交響楽 (新潮文庫)